#################### 4. 「ねぇ...智之?私って残酷なことしてると思う?」 「ん、どうしたんだ?いきなりそんなこと聞いてくるなんて」 「だ、だって...私は巨大化して、智之の言うとおりに街をめちゃくちゃにしていってるけど... 智之の思ってる以上に酷いことしてないかな?」 「何をいきなりおっしゃいますか...」 「それで...智之は引いたりしてないよね?」 「わざわざ頼んでおいて引くような人間ではないと自分でも思うけど? だからさ、由佳が巨大化してる時にどんなことをやったとしても、もちのろんで引かないよ。むしろもっと好きになる♪ オレが見たいのは小人の街を圧倒的な力で蹂躙する由佳なんだから... もっと高圧的に見下ろすような感じでもいいと思うよ。 この世界は私のオモチャなのよ!って宣言するような...」 「うん、わかった...それでいいんだよね...智之が好きっていうならがんばってみるね... あ、あと...変な風になっても笑わないでよ! こんなこと智之のためだけにやってあげるんだから...」 「萌えはするけど笑ったりはしない。約束するよ」 「もし...笑ったりしたら、踏み潰してやるんだから...」 「おーおー恐い恐い。じゃ、楽しみにしてる...」 「...うん」 (何度も街を破壊してきただけあって、罪悪感は消えたみたいだけれども、 まだ流石に恥ずかしさは残ってるようだな... 小人の視線が気になってか、オレの視線が気になってか... 後は由佳にはもっとサディスティックな快感を感じてもらった後に形勢逆転で... ムフフな展開にいけばいいな) 一人勝手に妄想を繰り広げている智之。 そんな智之を尻目に由佳は一歩一歩大浜市内の住宅地を 250メートルという途方もないくらい大きなローファーで踏み潰していった。 * (智之って『一人でする』時にやっぱり今日のプレイを記録したのを見てするのかな...?) 以前から、智之が「一人でする」ことに関してはいろいろ聞かされているが、詳しいことは知らない。 でも、智之の言葉を額面どおりに受け取ると本当に妄想の中で自分を巨大化させてるようだった。 考え込む由佳に足元に注意を払う余裕などなく、街並みが次々に蹂躙されていった... 住宅もビルも公園も瞬く間に靴裏で一纏めにされて瓦礫に変えられていく... (さっきやるって言っちゃった以上、智之に言われた通りにしてあげるべきだよね...智之が喜んでくれるなら...) 由佳の足元に広がる住宅街の先にひときわ目立つ建物があった。 大都市の中心部に近いとは言え、高層ビルが比較的少ない大浜市内南部では一番の高さを誇るビル... 川山市にあったのも含めて断トツに大きい。 またいきなり智之がテレパスで話しかけてきた。 (あれはデパートとかホテルが一体となった超高層ビル。一応、高さは200メートルある。 このあたりでも、今までの中ででも一番高いビルだよ...楽しみにしてる) 智之は一方的にそれだけを言い残して、またすぐにいなくなってしまった。 (もう...好き勝手に頼んじゃって...しょうがないんだから...) 自分に求められているのは「完璧」ではなく「自然さ」。 無理に気負うことはない。 だから、自分の好きなように破壊すればいい。 (でも...セリフっぽいの言うの恥ずかしい...) 問題はそこ。そこがすごく大事。 智之の言い付けではこの世界を侵略しにきた巨大なメイドさんとして、また侵略宣言をすることになっている。 (私を「メイドさん」にしていいなりにさせて、それなのに高校の制服着せるだなんて...ほんと調子に乗りやすいんだから... ま、ちょっと芝居がかっても仕方ないか...それくらいはガマンしてくれないとね) (えっ...200メートルのビルでもこんなに小さいの...?) 由佳は思わず戸惑った。 200メートルあるはずのビルがあまりにも小さいのだ。 遠目から判断した限りでは自分の腰くらいの高さはあるものだと思い込んでいたが... 今、由佳の目の前...いや、足元と言った方が正しいだろう。 そこにあるのは由佳の膝の遥か下までの高さしかないビルであった。 (あっ...そっか。今のを口に出して言えばいいんだ...) この世界の人間の矮小さを言ってやる。 これも智之の好きなシュチエーションだ。 「小人さんのビルってこんなにちっぽけなんですか〜?私の膝よりも低いなんて...」 こんな程度のビルでもこの世界の小人からしたら超高層ビルなのだ。 「他のビルに至っては私の足元にも及ばないなんて... 私みたいな普通の女の子でさえ、これくらい大きいのに そんなに小さすぎて恥ずかしくないの?」 思い切ってこの世界の小ささを蔑むような言い方をしてみると、 思いのほか気持ちよくて、自然に言葉が浮かんできた。 「足元にも及ばない」なんていう少し浮ついた言葉も今の状況を表すには似合っている。 「こんな小さな街、私が遊んであげるわ...」 * 超高層ビルの周りにある邪魔な小さなビルは先に破壊し尽くした。 足を地面から少し浮かして移動させるだけで地上の建物を一掃できた。 もはや壊しているという感覚すらない。 それでも智之は喜ぶに違いない。 さて、あと残すはビル本体だけ。 こうなってはもはやここから小人たちが逃れることは不可能だ。 (よし...このビルは踏み潰しで壊してあげようっと...) 巨大娘の王道破壊:踏み潰し... 智之の大好物だと散々聞かされている。 (この大きさなら一思いに...) そう思い、由佳は右足を持ち上げた。 そのまま巨大な足を高層ビルの真上に持ってきた。 そして慎重にゆっくりと下ろしていく... ローファーを通じてビルに触れた感触が伝わる。 体重を掛けていないのにローファーの底が少し触れてしまっただけでビルが崩壊し始めた。 まるで砂の城のように脆く感じた。 そこにさらに由佳の体重を加えて踏み潰していった... ビルは何の抵抗もなく一気に全体が押し潰されていった。 由佳の圧力に加え、支えきれなくなった自重が重なり崩壊を加速させた。 これもわずか数秒の出来事だった。 由佳の破壊力を大浜の街に知らしめるには十分すぎるものだ。 100倍サイズでは少し破壊させるのが困難だった大型高層ビルも 1000倍サイズのギガ由佳ならあっさりと踏み潰せてしまう。 (今のもすっごくよかった♪) 踏み潰してすぐに智之から感想が届いた。 (そ、そりゃ智之の好きなシチュなんでしょ?気に入ってくれるのは当然だもん...) (もっともっと見たいな〜♪) (わかりました、ご主人さま...) 智之はまだまだ満足していなかった。 智之を完全に満足させるためには、この大浜の街をもっともっと破壊し尽くしていかないといけない。 それがメイドさんである由佳の務め。 由佳の足元に広がる建物の海。 今し方、大浜で一番大きなビルとその周辺を壊したとは言え、全体的に考えればそれはほんの一部で、 大浜の都心部の90%は今までと変わらぬ姿を保っている。 だがそれも身長1500メートルの由佳が歩いていけば、自動的に破壊されていくことになる。 (もう...し、しょうがないんだから...) 由佳は智之のことを考えて、わざと建物の上を狙って歩き出した。 * 智之は巨大な由佳の足が引き起こす大破壊に激しく萌えていた。 この巨大さゆえに智之が眺めている視界に由佳の全身は入りきらず、下半身ばかりを眺めていた。 (由佳には悪いけど下半身しか見えないぜ! 由佳のあのちっちゃな足がこんなにも巨大になって....はぁはぁ...) 本来、由佳の身体は小柄でそれに伴った小動物的かわいらしさを持ち、 手や足のパーツの一つ一つが智之のそれと比較すると小さく非常にかわいらしくて、 本人にそのことを指摘するとぷぅ〜っと膨れるけれども、それも含めて萌え要素となっている。 それと今、目に入ってくるものとを比較考慮すると...とてつもない萌えになった。 智之のギャップ萌えは相変わらずだった。 (どうせなら1000倍サイズじゃないと破壊しにくいものを踏み潰してもらおうかな...) 智之はまた悩んでいた。 この後の展開をどうするかについてだ。 普通の街並みを踏み潰して回るだけじゃつまらない。 由佳が1000倍だからこそ出来ることをやってもらいたい。 空中に浮かぶ智之は眼下に広がる大浜の街並みを見下ろしていた。 由佳が歩いていった跡ははっきりと分かる。 靴の形で200メートルに渡って建物が一切合切なくなっている部分があちこちに点在しているからだ。 ごく一部の高層ビルを勘定に入れなければ、地上にある小さな建物はマンションであれ、戸建て住宅であれ、工場であれ由佳にしてみれば関係なく それらを押し潰し、地面と同化させて、地中にめり込まさせた。 (地上視点からの映像もさぞすごいことになっているだろうな...楽しみ楽しみ...) 1000倍サイズの超巨大な白い靴下と黒のローファーを履いた由佳の足が神の鉄槌を大浜の街に下していた。 * コンクリートジャングルの大浜都心のほど近くに珍しく緑が広がっている区画がある。 大浜城公園緑地だ。 戦後に復元された大浜城を中心として、大きく広がる緑地化された公園の敷地内にはコンサートやライブで使用される大型ホール、 多目的グラウンド、野球場、野外音楽堂、サッカーグラウンドなど多種多様な施設が設けられている。 いつもと変わらぬ日常であれば、ここには憩いの場を求めてやってきた大勢の市民の笑顔が溢れ、平穏な光景が広がっているはずなのだが.... その時、その場に居合わせた人々はただ不安げに顔を見合わせることしか出来なかった。 大いなる恐怖が大浜城公園だけでなく大浜都心に襲いかかろうとしていた。 そう。ここからでも天にまで届くのではないかと思わせるほど巨大な女子高生の姿を確認することは出来た。 南の繁華街の高層ビルを一踏みで踏み潰していく光景を見せ付けられていた。 女子高生の動きに遅れること十数秒。 建物が崩れていくすさまじい轟音が響き渡る。 耳にするだけで人々の不安を煽るような音。 そして超巨大女子高生が今いる場所から北に進路を取れば、自ずとこのあたりも彼女の犠牲になりうる... そして。いつの間にか、公園には人影が見えなくなっていた。 公園全体を覆う静寂。 嵐の前の静けさがよりこの後に起きる出来事を際立たせていた。 * 大浜市内中心部を歩く超巨大女子高生... そして由佳にまた次の破壊対象物が示された。 「ほらほら、あそこに見えるのが大浜城。 そこそこ大きな城だと思うんだけど、それでも由佳からしてみればちっちゃいよな?」 今度、智之はあの城を踏み潰させるつもりのようだ。 「わかった。それと智之、ちょっといい?」 「ん、何か?」 「今から私の言うとおりにしてほしいの...」 智之は何の事だか分からないまま由佳の話の続きに耳を傾けた。 「私のことが一番好きだって証拠見せて。 見せてくれたら智之のリクエストやってあげるから」 と、そこで由佳は交換条件を提示してきた。 智之は思わぬ反撃に面食らった。 「証拠ってな...おいおい...オレが由佳のことすげー好きなのは由佳が一番知ってるだろ?それだけじゃダメと?」 「私が誰のためにこんな怪獣役をやってあげてると思ってるのよ、まったく...」 「オレのためだよね?さっき言ってたし」 「さぁーどーでしょうね。案外、私のためだったりして...」 「そ、それはそれでいいんだけど...」 「とにかく。ドコが好きか具体的に言ってくれないとやだもん」 「オレが他の奴を好きになるとでも?」 「そういう意味じゃないけど...言ってくれたっていいでしょ?だから...と、とにかく言ってよ!」 「わかったよ...言えばいいんだろ?」 智之もまさかこのような形で由佳が駄々をこねるとは思ってもいなかった。 (でも、由佳の好きなところあげろってのは意外と簡単なんだけどな...) 逆に由佳が自分のことを好きでいてくれている最大の証拠は... 今、この瞬間に現れている。 そう目の前で巨大化してくれていることがそれだ。 好きでもない相手のために仮想空間内とはいえ、希望通りに巨大化して怪獣のような振る舞いをしてくれるはずがない。 由佳がそこまで自分のことを思っていてくれることを考えると思わず顔がにやけてしまう。 本当ならすぐにでも抱きしめたり頭をなでなでしたりと体を密着させていちゃいちゃして、さびしがり屋の由佳の機嫌を取りたいところだが、 さっきも由佳と同じサイズの巨人となって大浜の街に出現したので、同じ手は使いたくなかった。 なので、今度は言葉で由佳をかわいがってあげよう。 口先だけにならないよう、後でしっかりとカバーしてあげることが必須になったけど。 * 「じゃ、一つ目。由佳の背が低くてちっちゃくてかわいいところが好きだな」 一呼吸置いて、智之は言った。 「それ、私を巨大化させておいて言うポイント?」 「普段のちっちゃさと『ゲーム』の時の巨大さとのギャップがいいんだってば」 「はいはい。わかったわよ...その..一応ちゃんと言ってくれたから...言うとおりにしてあげる」 約束どおりに智之が言ったため、大浜城(復元版)は破壊されることになった。 (踏み潰すときは天守閣の真上からこう一気に...) (それくらい分かってるもん...) 今と同じような状況はすでに何度も似たようなことを経験しているので、由佳は智之の好みは承知していた。 (智之が私のこと、好きなのはわかってる...わかってるけど...) 由佳は天守閣の真上から右足を振り下ろし、一撃で大浜城(復元版)を粉砕した。 由佳の巨大な足の直撃を免れた破片が空中に吹き飛ばされた。 城の周囲にある公園に破片が次々と落下した。 かつて特撮怪獣映画などでも怪獣同士の戦いによって、破壊されたこともあった大浜城(復元版)。 だが、巨大な足で踏み潰されるというような破壊のされ方などなかった。 ということで由佳が大浜城(復元版)を踏み潰して破壊した最初の人物となった。 大浜のシンボルの一つがあっさりと踏み潰されて、消失してしまった。 城が優雅に、荘厳に聳え立っていた高台には代わりに新しい大浜の支配者である由佳の右足が天に向かってまっすぐ伸びていた。 * 「はい。智之のお望み通りにお城を踏み潰してあげたわ。それじゃ、二つ目の理由言って」 大浜城を一思いに踏み潰したあと、城の残骸を足で軽く蹴散らしてから由佳は智之に尋ねていた。 腰に両手を宛がい、鋭い眼つきで智之が潜んでいると思われる足元を見下ろしていた。 「二つ目か...どれにしようかな...そうだな、コレにしよう。 オレが由佳の子と好きな理由:二つ目。由佳がきょぬーなこと」 「巨乳だなんて...そ、そんなに私のおっぱいってあるの?」 「とぼけるのかよ?前から言ってるじゃん。 あれだけ大きくて触りがいも揉みごたえもいじりがいもある由佳の胸を好きにならないはずがない。 今なら何万トンあるかな...」 「万トンって...むぅ〜そんなに重くないのに...」 「いやいや万トン単位はあるはず。元の体重を40キロとしたら1000倍になるとなんと4000万トン!!!」 「そんなに重くないもん...周りが小さすぎるだけ...」 「100グラムのおっぱいとしてもなんと10万トン...おそるべし由佳のきょぬー...」 「ううっ...なんか褒められてる気がしない...」 「ちゃんと褒めてるって。オレからすればまさにパーフェクト。 由佳のそのおっぱいはすっげー好きだから。魔性のDカップだな...」 「...ヘンタイ」 「男はおっぱいかお尻のどちらか一方は必ず好きなもんだって。 そうじゃなきゃ男が廃るってもんだ。 それに加えて、由佳は胸を触れるのが弱いのか、感じやすいのか... 責められてる時がこれまたすごくかわいいんだよな...」 「あーもうわかりました。それでいいですよーだ。 次は何を踏み潰せばいいんですか、ご主人様?」 「おっと踏み潰しが既定路線になっているようだけれど、巨大娘の攻撃の仕方はそれだけではないのだよ。 確かに踏み潰しは王道ですばらしい。 だが、他にもオレが萌える破壊の仕方は..ある!」 智之がいきなり自身の燃えもとい萌えを語り始めた。 「かくかくしかじか...というわけで魅力的な由佳の全身を使って、破壊して欲しいというわけなのだ」 「よーするに、次の破壊は踏み潰し以外でやってほしいということね。はぁ....」 「そそ。別に踏み潰しが嫌いになったわけじゃなくて、他の部分での破壊を見たいからだからな。 さてと、由佳。今、いるところが次に壊して欲しい地区だよ」 由佳は足元の街並みを改めて見下ろした。 智之に誘導されてまた新たなる生贄の地にやってきていた。 「ふ〜ん...ここは随分と高いビルが多いね。なんか東京みたい」 「でも、由佳と比べたらおもちゃにしか見えないけどな」 由佳の目の前には超高層ビルが林立していた。 誇り高き都市の繁栄の象徴でもある超高層ビル群... それを巨大女子高生の由佳がずたずたに潰していくのだ... <つづく>